ノウハウ

安心・安全な快適空間を造るエコロジー社会に必須の技術。

有害物質除去 – アスベスト

アスベストとは

アスベストは、耐熱性、耐磨耗性など、優れた性質を持っており、さまざまな分野で長年使用されてきました。建築資材としては、保温材、断熱材、吸音材などに幅広く採用されてきました。

実は有害物質

アスベストの吸入によって起こる石綿肺は、胸膜の悪性中皮腫、肺がんの合併率が高い病気です。また阪神・淡路大震災では、損壊家屋のアスベスト飛散問題が指摘され、環境汚染が問題となりました。

解体工事には法制上の措置を講じる必要があります

大気汚染防止法の改正(1996年5月) 建築物の解体等に伴う石綿の飛散防止について、所要の規制措置を講じること

「労働安全衛生規則」および「特定化学物質等障害予防規則」の改正(1995年1月) 石綿(アスベスト)含有率が1%を超える
 ・吹付け石綿
 ・吹付けロックウール
 ・吹付けひる石(吹付けバーミキュライト)
が使用されている建物の解体前には、「石綿飛散防止対策」が必要です。

安心・安全な快適空間を造るエコロジー社会に必須の技術。

有害物質除去 – ダイオキシン

ダイオキシンって?

史上最強の毒物ダイオキシン。意外なことに、炭素Cと水素Hと塩素Clと酸素Oだけからできたとても単純な構造をした物質です。
分類すると222種類の化学物質からなり、PCDD、PCDF、Co-PCBの3種類の物質をまとめて「ダイオキシン類」と呼んでいます。

ダイオキシンって?

毒性について

塩素のつく位置や数により毒性の強さが違ってきます。そのうち、最強の毒性を持つのは2,3,7,8-TCDD(ベトナム戦争の枯葉剤)です。
ダイオキシンは微量で、様々な毒性を発揮します。生殖毒性(催奇形性他)、発ガン性、免疫毒性、環境ホルモン様作用があることが指摘されています。

ゴミを燃やすと発生する

ゴミに含まれるポリ塩化ビニルやポリ塩化ビリデンは塩素が含まれているので、燃焼する際にダイオキシン類が発生します。
また、金属や電池、銅線などを分別せずに燃焼させた場合、焼却後に発生する「煤じん」や「すす」には金属類が含まれ、これが触媒として作用して、炭素と塩化化合物を反応させてダイオキシン類が発生します。

焼却施設の解体工事

2001年12月から焼却施設におけるダイオキシン類排出基準値が大幅に引き下げられ、適合しないものは、解体せねばならなくなりました。解体工事においても、ばく露防止対策が必要となります。
ばく露防止対象施設と解体の届出について法令で定められました。

【廃棄物焼却施設内作業におけるダイオキシン類ばく露防止対策要綱】
(厚生労働省 2001年4月25日付け 基発第401号の2)

ばく露防止対策が必要となる施設 火格子面積が0.5m2以上、または、焼却能力が50Kg/h以上の焼却炉を使う場合は、ばく露防止対策が必要です。
火格子面積が0.5m2未満で、焼却能力が50Kg/h未満の焼却炉を使う場合は、ばく露防止対策を行うのが望ましい。 解体時に届出が必要となる施設 火格子面積が2m2以上、または、焼却能力が200Kg/h以上の焼却炉を解体する場合は、届出が必要です。 それ以下の面積・能力の焼却炉を解体する場合、届出は必要ありませんが、解体はきちんとマニュアルどおりに行う必要があります。

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有害物質除去 – ホルムアルデヒド

シックハウス症候群の原因は揮発性有機化合物(VOC/ホルムアルデヒド)です。

新築や改装工事後、建材から室内に発生する揮発性化学物質やダニアレルゲンが原因で体調不良または健康障害を引き起こす事と言われています。
症状は頭痛、喉の痛み、眼の痛み、鼻炎、嘔吐、呼吸器障害、めまい、皮膚炎などが上げられています。
ただし、病気のメカニズムと治療法も解明されておらず、医療の対応も整備されていません。
現状は自らの手で安全、健康を確保する事を考えなくてはいけないのです。

有害化学物質指針値

2001年4月、厚生労働省より VOC/ホルムアルデヒドの室内環境濃度に関する規制対象として、8物質と化学物質総量 について値が示されました。
指針値は、化学物質の濃度以下の暴露を一生涯受けても健康へ影響を受けないであろうとされる値ですが、数値と発症の因果 関係は個人差が大きく、数値以下で発症したり、より濃度が高くても発症しない場合もあります。

物質名 室内濃度指針値 主な用途 健康への影響
ホルムアルデヒド 0.08ppm
(100μg/立米)
合板、パーティクルボード、壁紙、接着剤 鼻、咽頭の刺激、流涙、くしゃみ、せき、吐き気、呼吸器障害、発ガン性
トルエン 0.07ppm
(260μg/立米)
施工用接着剤、塗料溶剤、ワックス溶剤 倦怠感、知覚異常、吐き気
キシレン 0.20ppm
(870μg/立米)
塗料溶剤、樹脂、ワックス溶剤 眼・咽喉の刺激、知覚障害、吐き気
パラジクロロベンゼン 0.04ppm
(240μg/立米)
防虫剤 眼・鼻・のどの刺激、咽頭痛、悪心、嘔吐、肝・腎機能低下
エチルベンゼン 0.88ppm
(3800μg/立米)
塗料、接着剤 眼、皮膚、気道の刺激、中枢神経への影響
スチレン 0.05ppm
(220μg/立米)
発砲スチロール 眼、皮膚、気道の刺激、喘息
フタル酸ジ-n-ブチル 0.02ppm
(220μg/立米)
プラスチック、塩化ビニルの可塑剤 吐き気、頭痛、めまい
クロルピリホス 0.07ppb
(1μg/立米)
シロアリ駆除剤 倦怠感、頭痛、めまい、悪心、嘔吐
トータルVOC
(揮発性有機化合物総量)
(400μg/立米) ※新築は1,000μ g/立米